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瀬戸内海 旬のお魚SETO INLAND SEA SEASONAL FISH

瀬戸内海は日本で一番大きな内海で、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県に囲まれています。周囲の気候は瀬戸内海式気候と呼ばれ、温暖で雨量が少なく、内湾性に富んでおり、浅瀬が多いのが特徴です。また、潮の干満差が大きく、潮流が非常に強いことも特徴に挙げられる上、陸地に囲まれていることにより、多くの河川が流入することにより、山の栄養分が流入し、豊かな生態系を育んでいます。ぜひ、四季折々の瀬戸内海の魚介類をご賞味ください。

イイダコ

イイダコは漢字で「飯蛸」と書き、これは子持ちのものを煮た時に、中に詰まっている卵の様子が飯粒が詰まっているように見える、または食感が飯粒のようだからと言われています。名前のごとく産卵期が最盛期になり、お目当ては子持ちのメスになります。また、大きくても20㎝までと小ぶりのタコです。
【調理方法】
抱卵したメスは、煮付けにすると美味しくいただけますが、あまり大ぶりなものではなく10㎝くらいまでが柔らかく手頃です。他にも、酢味噌や煮物、炊き込みご飯、揚げ物などの料理が楽しめます。

漁獲カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
イボダイ(シズ)

広島県では、「シズ」と呼ばれ親しまれています。銀色で小判型の小さな魚で、名前の由来になっているエラ蓋上部の黒斑が特徴です。産地ではスーパーなどでも見かける比較的身近な魚で、鮮魚の他、干物にも多く加工されています。また、徳島県では「ぼうぜの姿寿司」の魚として人気があります。
【調理方法】
大きくても20㎝程度と小ぶりな魚で、干物などに加工されたり、塩焼きなどで食べることが多いですが、鮮度が良ければぜひ刺身で召し上がってみてください。上品な白身に関わらず適度な脂の乗りが最高です。

漁獲カレンダー
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カワハギ

ハゲ、マルハゲ(ウマヅラハギに対し)などとも呼ばれています。非常に硬くザラザラとした皮に包まれているのが特徴です。ウマヅラハギと同じく皮をとるのはとても簡単で、名前の由来になっているといわれています。
【調理方法】
身はフグにも負けないくらい旨いといわれていますので、鮮度がよければぜひ刺身でお召し上がりください。また肝が抜群に美味しいため、秋頃から冬にかけて肝が大きくなる時期には、煮物はもちろん、刺身に和えるなどすれば最高です。

漁獲カレンダー
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キュウセン(ベラ)

西日本では非常にポピュラーな魚として親しまれている存在ですが、全国的な知名度はいまひとつです。カラフルな見た目が特徴で、雌(体色は赤色)から雄(体色は青色)に性転換する「雌性先熟」を行う魚で、雌の大きい個体が雄へと性転換してハーレムを形成して産卵しますが、中には、雌のふりをした雄が紛れ込み、自分の子孫を残すものもいます。
【調理方法】
見た目とは異なり、非常に上品な白身で、最盛期にはしっかり脂ものります。小さな魚で身が柔らかいので、おろすのは苦労しますが、鮮度が良いものはぜひ刺身でお召し上がりください。焼物、煮つけなどでも美味しく頂けます。

漁獲カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
クロメバル

その名の通り全体に黒いのが特徴で、クロソイやムラソイに似ていますが、表皮にウスメバルのような赤みが無く、皮付きの料理にすると色映えはしませんが、味はとてもよい魚で、それなりの価格で流通しています。また、シロメバル、アカメバルとともに、地域によっては春頃から漁獲量が増えることから、春を告げる魚=春告魚と呼ばれています。
【調理方法】
大きくても20㎝程度と小さめの魚ですので、焼物や煮付けが一般的ですが、鮮度が良ければ刺身がおすすめです。歩留まりは非常に悪く食べるところは少ないですが、非常に旨味のある上品な白身です。

漁獲カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
コイチ

ニベの仲間で、釣り上げたときにグーグー鳴くことから「グチ」、頭の中に大きな耳石を持っていることから「イシモチ」とも呼ばれています。コイチは春頃から産卵のため浅いところに移動し始め、その時期に多く漁獲され一般的には初夏から秋にかけてが旬とされています。
【調理方法】
塩焼きや煮付けみがお馴染みですが、鮮度が良い大型のものが手に入れば、刺身もおすすめです。血合いの色が綺麗で、身の色もよく、クセもありません。

漁獲カレンダー
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サワラ

成長するにつれて「サゴシ→ナギ→サワラ」と名前が変わる出世魚です。関東では脂ののる冬が旬とされていますが、ここ瀬戸内海では、春頃になると産卵のため浅瀬にやってくるので漁獲量が増え、まさに鰆の字を表す代表的な春告魚で、特に釣り物の大型サイズは高値で取引されます。
【調理方法】
身が非常に柔らかいのと、皮下の脂が美味しいので、刺身にする際には皮をつけたまま、炙りでいただくのがおすすめです。真子や白子も焼物や煮付けにすれば芳醇な味わいです。

漁獲カレンダー
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地エビ

瀬戸内海で獲れる小エビ全体を指し、サルエビ、アカエビ、キシエビ、トラエビなど区分せず流通しているものの総称です。砂泥底に生息しているエビをエビ漕ぎ漁という長い袋状の網を用いた方法で漁獲しています。
【調理方法】
頭のツノは硬いので、調理する際には取り除きます。小さいものはかき揚げに、大きいものは唐揚げにすると美味しくいただけます。地方によっては干しエビに加工して、珍味として食したり、出汁に使用しています。

漁獲カレンダー
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セトダイ(タモリ)

名前にタイとついていますが、イサキ科の魚です。瀬戸内海では、兵庫県明石から広島県東部では「タモリ」と呼ばれ親しまれています。体側に5本の暗色横帯があり、鰭が黄色っぽく、後縁が黒いのが特徴です。浅い砂泥底に生息しているため、主に定置網や底曳網によって漁獲されています。
【調理方法】
大きくても15㎝程度で、皮が非常に硬く、鱗が細かいので下準備に苦労しますが、その見返りは十分です。見た目とは異なり非常に旨味の強い白身ですので、焼物、煮付けなどでお召し上がりください。

漁獲カレンダー
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テナガダコ

小型のタコですが、体のわりに足が非常長いことからその名がつきました。もともと漁獲量は少なく、漁獲時期も限られていることに加え、これを目的とする漁もないことから、消費地でお目にかかることはほとんどありません。よって、瀬戸内海ならではのタコということになるでしょう。
【調理方法】
マダコと比べると旨味が少く、小さいことから評価は低いですが、タコの中では非常に柔らかい部類ですので、軽くボイルして酢味噌で食べても美味しいですし、煮物や揚物などにすればマダコよりおいしいという声も聞かれます。

漁獲カレンダー
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テンジクダイ(ネブト)

全国的に分布していますが、最大で5㎝程度と非常に小さな魚ですので、市場に流通することはまずありません。しかし福山市では「ネブト」、広島県西部では「メンパチ」、他にも「ネブトジャコ」「イシモチ」と呼ばれ親しまれています。
【調理方法】
小さな魚ですが、頭に耳石を持っているため、少々手間ですが、手で頭を取り、細かな鱗をとるなどの下準備が必要です。唐揚げにして、そのままか甘酢につけて頂くと、非常に香ばしい魚です。

漁獲カレンダー
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ベイカ

漁獲時期には米粒のような卵を持っているため、その名がつけられたといわれています。また瀬戸内海では「チーイカ」や「チイチイイカ」と呼ばれ、初夏の風物詩として親しまれています。最大で8cm程度と小さいイカですが、ほんの一時期しか漁獲されず、産地以外でお目にかかることはまずありません。
【調理方法】
小さく、身も柔らかいので、そのまま天ぷらにしたり、軽くボイルするなどして軽食感覚で食べられるています。

漁獲カレンダー
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マアナゴ

広島県でアナゴと言えば、「マアナゴ」を指し、瀬戸内海はアナゴの産地として有名です。初夏から夏にかけて旬を迎え、脂がのります。稚魚はレプトケファルスと呼ばれる透明な幼生で、全長5~8㎝程の幼生は「ノレソレ」とも呼ばれ、これも食用になります。
【調理方法】
宮島の名物「あなご飯」は郷土料理として人気があります。他には天ぷらや寿司などの料理が楽しめます。広島県では焼アナゴ主流で、江戸前寿司でお馴染みの煮アナゴはあまり食べません。

漁獲カレンダー
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マガキ

広島県はマガキの生産量全国1位で、全国の6割を占めています。 広島湾一帯では,縄文・弥生時代から,住民が天然のカキを食べていたことが,貝塚から出土するカキ殻からわかっています。広島湾は、島や岬に囲まれ、波が穏やかで、河川の流入も多く、カキのエサとなるプランクトンが豊富で恵まれた環境です。また、生食用と加熱用のカキとでは、海域を分けて収穫する等独自の基準を設けています。
【調理方法】
身は殻の割には大きくぷりっとしていて濃厚な味わいとされています。出荷は10月~5月までですが、旬は1~2月で、この時期はグリコーゲンが大量に蓄えられています。近年では夏に水揚げする夏がきなども登場し、1年中美味しいかきを食べる事が出来るようになりました。

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マダコ

瀬戸内海はマダコの漁獲量が多く、最も重要な水産資源のひとつで、年間を通じて市場に入荷しない日がないほどの人気者です。マダコの旬は、産地によって違い、瀬戸内海周辺では産卵期に入る6~9月頃のものを旬としています(三陸では11~12月が漁期)。
【調理方法】
ヌメリや汚れをとったりと、下処理は大変ですが、刺身、和え物、煮物、揚げ物、炊き込みご飯など多種多様な料理に使え、美味しくいただけます。

漁獲カレンダー
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マナガツオ

江戸時代に書かれた「本朝食鑑」によると、京都は海から遠く、新鮮なカツオが手に入らないので、代わりにマナガツオをカツオに学び鱠(なます)で食べていることから、学鰹(まながつお)と名付けたと記されています。平べったく、身も白身なので、カツオと呼ぶには少し無理があるようですが…。瀬戸内海では産卵のため外洋から入ってくる初夏から秋までが漁期となり、ますが、近年は漁獲量が激減しており、大きなものは高値で取引されています。
【調理方法】
鮮度がよく大きなものは、ぜひ刺身でお召し上がりください。もっちりとした食感で甘みのある上品な白身です。小型のものは、西京焼き、幽庵焼きなど、少し味付けするのがおすすめです。

漁獲カレンダー
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月