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種苗研究センターSEEDLING RESEARCH CENTER
瀬戸内近海魚の完全陸上養殖の事業化
【SETOの里海プロジェクト】

クラハシでは、福山大学 海洋生命学科 有瀧教授が開発を進められている、シロギス効率養殖の技術を受け、商流化支援という形で共同研究(産学連携)を進めております。その一環として、2020年2月に種苗研究センターを福山市内に新設しました。種苗研究センターでは近年漁獲量の減少が著しく、付加価値の高い魚種として「シロギスの種苗生産」について研究開発を進めてます。

◎サスティナブルな漁業環境を実現化する

近年、地球温暖化などの環境変化や乱獲によって瀬戸内海も含めて全国的に漁獲量が減少し、天然魚の流通量が減少しています。そのような中で養殖魚の流通量が増えており、品質・漁獲量の安定、トレーサビリティによる安全・安心の確保などの面からの養殖魚のニーズは増大しています。また、国連が提唱いているSDGsのうち、「14 海の豊かさを守ろう」という目標を達成するためには天然魚の乱獲を防ぎながら食卓を豊かにする必要があり、その上で「養殖事業」が欠かせないものとなっています。

◎養殖について

養殖には「1.海面養殖」、「2.陸上養殖」の2種類があり、これまでは豊かな海を利用して養殖を行う「1.海面養殖」が主流でした。しかしながら、地球温暖化による海水温上昇、残餌や糞による漁場の環境悪化などの問題があり、近年は養殖魚に最適な環境を提供でき、環境負荷を下げる可能性がある「2.陸上養殖」が注目されるようになっています。

また、生け簀や水槽に入れる稚魚を調達する方法にも複数あり、自然界から獲ってくる「畜養」、天然の親から卵を産ませる「養殖」、養殖で育てた親から卵を産ませる「完全養殖」の3つに分けられます。

近畿大学の養殖マグロは、親を育てて卵を産ませるサイクルが確立した完全養殖です。

シロギスの完全陸上養殖に向けて

シロギスは旬が夏場であり、冬場はほとんど漁獲されないことから、養殖魚を冬場に販売することで高い収益を見込めます。また、瀬戸内で獲れるシロギスのうち、25cmを超えるものは「テッポウギス」と呼ばれ、非常に高値で取引されています。そこで「シロギスをいかに短期間で大きくできるか?」という課題を解決するため、弊社の関連会社であるマリンリンク株式会社(沖縄県伊平屋村)にて高い水温を活用した陸上養殖の実験を行い、魚の活性を維持することで、瀬戸内海の天然魚で3年かかるところを1年足らずで成長させることに成功しました。

しかしながら、連続して安定した生産を行うためには種苗生産技術を確立する必要があります。種苗研究センターでは、シロギスの養殖魚を親魚とした完全養殖技術の研究開発を進め、そのほかの瀬戸内近海魚の種苗生産技術・養殖技術開発へ展開します。なお、令和2年度には広島県ものづくり価値創出補助事業の支援を受けて、シロギス養殖に必要なシステム開発を行いました。

種苗研究センターについて

種苗研究センターは約650㎡の軽量鉄骨造りで、周年の種苗生産ができるよう全館空調と水温制御を組み合わせた研究施設です。内部には仔魚の餌となるワムシ・アルテミアの培養設備、種苗育成水槽(1.1t × 6基)、親魚水槽(2t × 3基)、養殖水槽(10t × 1基)を備える。飼育水の浄化は閉鎖循環方式を採用しており、一度水温調整した飼育水を循環させることで水温調整にかかる電気代の削減を行っています。

現在、種苗研究センターではシロギスの養殖親魚の産卵準備を進めており、今期中の種苗生産方法およびシステム化を進め、次年度よりの出荷を目指しています。

種苗研究センター【設備のご紹介】
◎餌料培養槽 200L(3基)

●アルテミア孵化槽 200L
●チタンヒーター 0.5kwL
●サーモコントローラーL
●ブロワー 100L/min

◎餌料培養槽 500L(2基)

●アルテミア孵化槽 500L
●チタンヒーター 0.5kw
●サーモコントローラー
●ブロワー 100L/min

◎ポリカーボネートタンクA

●SR-1000H規格外品

◎種苗用 1.1t 水槽 (6基)

●丸形FRP水槽 1.1t水槽
●チタンヒーター0.5kw
●サーモコントローラー
●ブロワー

◎親魚用 2t水槽

●丸形FRP水槽 2t
●泡沫分離装置A(FS-020P)
●ヒートポンプ式温冷水機
●サーモコントローラー
●ブロワー 100L/min

◎10t水槽

●FRP組立水槽(ES-4SR-1000H)
●泡沫分離装置(FS-075S)

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